力で押さない、ツボをつつみ込む指圧

「ツボ」は大きく分けて、経穴(けいけつ)、奇穴(きけつ)、阿是穴(あぜけつ)の3種類あります。

その中で経穴(けいけつ)は、経絡(けいらく)という気の通り道にあるツボです。経絡が「線路」だとしたら、経穴は「」。駅の中でも、路線が交わるような有名な駅もあれば、特急で通過されてしまうようなマイナーな駅もあります。

経穴は駅、経絡は電車

経穴の数は全部で361個。それが経絡(正経脈12本、奇経脈2本)の上に、規則的に並んでいます。それぞれの経絡は、東洋医学でいう内臓の「臓腑(ぞうふ)」へとつながり、心身の様々な生理作用をつくりだします。

たとえば胃の調子が悪い時、足三里というスネのツボを押すと消化機能が整います。一見、お腹と脚は関係なさそうですが、線路でつながっていると考えると理解できると思います。線路上に物が置かれていたり、電車を動かすエネルギー(氣)そのものが足りていないと流れが悪くなります。

電車の運行が滞っていると目的地にたどり着けませんが、経絡も同じです。流れが滞ることで、肩こりや便秘などの「症状」として表面に現れてきます。ツボが内臓の変化を教えてくれます。イライラや、情緒不安定なども「氣」の運行に問題があるからです。

表面に現れ、不具合を教えてくれるツボは、同時に治療のポイントでもあります。つまり、そのツボを押すことによって、つながっている臓腑に働きかけ、正常に整える作用があります。全身にある361個のツボが、多くの症状をカバーしています。

指圧は力任せではいけない

指圧は道具も使わずに、指一本でその障害物を取り除いたり、経絡上のエネルギーの流れをうながす作用があります。しかし、指圧をしてもツボから外れていた場合、効果は半減します。ツボにヒットしていないので、どうしても「力任せ」になります。これでは指圧する側される側、双方疲れてしまいます。

ツボを外して力任せに押す→筋肉の組織がダメージを受ける→強い揉み返しになる→段々と感覚が鈍くなる→もっと強もみを要求するようになる→さらにダメージを与える…という悪循環に陥ります。

体への負担は最小限に、効果を最大限に引き出せる指圧が理想的です。ツボにしっかり指がハマることで、余分な力を使わずに充分な刺激を入れることが可能となります。

そして、テクニックの土台となるのが「愛情」です。身体を「もの」として見るのではなく、「いのち」としてみること。ツボの声を聴き、共感しながらその時に必要な施術をすることです。

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